- SAIで水彩風の影を付けてみたい
- 手軽に短時間で影を塗りたい
こんなときは、SAIで「水彩境界」を使ってみましょう。
水彩境界とは、塗りにフチが付く効果のことです。
水彩境界を活用すれば、短時間に見映えのする影を描く事が出来ます。
水彩境界の基本から、活用したペン設定も解説しているので参考にしてみてくださいね!
▼練習用データをファンボックスで配布しています。
▼SAIのおすすめペン設定を先に知りたい方はこちらの記事をどうぞ
SAIの水彩境界の効果
SAIの水彩境界は、レイヤーパレット側の「合成モード」の上にあります。
「画材効果」の横の▼マークをクリックして「水彩境界」を選択します。
すぐ下に「幅」と「強さ」があり、調整が出来ます。
水彩境界の「幅」では、幅の太さを調整します。(強さは全て100)
水彩境界の「強さ」では境界の濃さを調整します。(幅は全て1)
私は幅1~2、強さは60~100の間を選ぶことが多いです。
水彩境界のコツとしては、全てのパーツで使うとくどい表現になってしまうので、一部のパーツで使っています。
特に髪や服の影付けで使うことが多いので、今回は髪と服のメイキングを紹介します。
さらに、肌に出来る落ち影にも水彩境界を使いました。
SAIの水彩境界で髪を塗るメイキング
水彩境界を活用して、髪を塗ってみましょう。
線画の段階で、毛束や髪の流れをしっかり描いておくと塗り進めやすいです。
髪の下塗り
この上から塗っていきます。
エアブラシでぼかした影を塗る
レイヤーを1枚上に作り下塗りレイヤーにクリッピングします。
エアブラシを使って、髪の丸さに沿ってぼかした影を塗りました。
筆で毛束に沿った影を塗る
もう1枚上にレイヤーを作りクリッピングします。
筆ツールを利用して、ぼかした影より少し濃い色で毛束に沿った影を塗ります。
▼筆の設定はこちら
水彩境界を適用
手順3で塗った毛束に沿った影に、水彩境界を適用します。
毛束に沿った影に細いふちがつきます。
幅は2、強さは70にしました。
ぼかし影を調整
手順2で塗ったぼかし影の範囲が狭く不自然に見えたので、塗り足します。
最初に塗った色より少し濃い色を使って塗り足しました。
ハイライトと前髪を透かす
ハイライトを入れて、前髪を肌色で透かして完成です。
▼髪のレイヤー構成はこちら
SAIの水彩境界で服を塗るメイキング
水彩境界を利用して服を塗ってみましょう。
線画の段階で、シワをきちんと描いておくと塗りやすいです。
服全体にぼかした影を入れる
影になりそうな所にエアブラシでぼかした影を塗りました。
筆ツールでしわに沿った影を入れる
上に1枚レイヤーを作りクリッピングします。
筆ツールを使い、しわに沿って影を塗ります。
手順1のぼかした影より少しだけ濃い色で塗っています。
筆ツールの設定は、髪で使ったものと同じです。
影に水彩境界を加える
手順2で塗ったしわに沿った影に水彩境界を適用します。
影に細いフチが付きました。
幅は1、強さは80にしています。好みで調整しましょう。
水彩境界のフチの一部をぼかす
水彩境界のフチを一部ぼかして、やわらかく表現する部分を作ります。
水彩筆で、水彩境界のフチをぼかします。
上の図のように、ぼかす部分はシワの端の部分が中心です。
▼ぼかしに使った水彩筆の設定はこちら
フチをぼかし、影を追加で塗って完成
フチをぼかしたり、全体的に見て影の足りない部分を塗って完成です。
▼服のレイヤー構成はこちら。
SAIの水彩境界で落ち影を塗る
SAIの水彩境界は、「落ち影」を塗る際にも便利です。
落ち影とは、物体に遮られることによってできる影のことです。
初心者でも手軽に塗りやすい、以下の部分の落ち影を解説します。
- 頭に遮られてできる首の落ち影
- 袖によって肌に落ちる影
肌の1影、2影を塗っておく
肌の影塗りが終わった段階です。
乗算で落ち影を塗る
肌の1影と2影の上に、「乗算レイヤー」を作り肌の下塗りレイヤーにクリッピング。
肌の落ち影となるオレンジ~赤系の色を塗ります。
塗りには髪と服と同じく筆ツールを使いました。
落ち影を塗ったレイヤーに水彩境界を適用する
手順2で塗った乗算レイヤーに水彩境界を適用します。
水彩境界の幅は1、強さは80にしました。
不透明度を調整する
色が濃かったので、落ち影を塗ったレイヤーの不透明度を65%に下げました。
今回は肌にできる落ち影を塗りましたが、別の箇所の落ち影にも便利なので活用してみてください!
▼肌のレイヤー構成
SAIの水彩境界まとめ
水彩境界を使った影の塗りを解説しました。
少ないレイヤーでも仕上げることが出来るので、短時間で塗りたいときによく活用しています。
それ以外の場面でも、フチで情報量が増えて絵に深みが出る便利な効果ですので使ってみてくださいね!
水彩境界をもっとたくさん効果的に使いたくなったという方へ。
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線画データがダウンロード可能なので、真似をして塗ることが出来ます。
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