- デジタルイラストを始めたいけど、SAIとクリスタどっちがいいの?
- SAIとクリスタの特徴を知りたい
このような疑問に、SAIとクリスタどちらも5年以上利用している私が解説します。
両方のソフトを使ってきたからこそ分かる視点で解説をしていきますで、参考にしてみてくださいね!
SAIとクリスタの値段
【SAI】
ダウンロード版:5,500円
パッケージ版はなくダウンロード版のみ。
対応OS:windowsのみ。
【クリスタ(クリップスタジオペイントPC版の場合)】
クリスタにはPRO版と上位モデルのEX版があります。
クリップスタジオペイントPRO
ダウンロード版:5,000円
パッケージ版:9,200円
▼アマゾンのパッケージ版
クリップスタジオペイントEX
ダウンロード版:23,000円 (PROを所持している場合の優待価格なら18,000円)
パッケージ版:37,200円(PROを所持している場合の優待価格なら28,000円)
対応OS:windows、macOS
SAIの特徴
- マンガよりイラストをよく描く
- 描いたイラストはWebでの公開がメイン
- 水彩系のツールをよく使う
SAIのメリット
SAIのメリットを3つ紹介します。
初心者にとってシンプルで分かりやすい
SAIのコンセプトは「気軽に気持ちよく絵が描けること」です。
シンプルで分かりやすい画面構成が特徴。
デジタルで絵を描き始めてまずぶつかる壁は「ペンタブに慣れる」ことではないでしょうか?
最初から多機能なソフトを使っていた場合、機能を覚えることの方に気をとられてしまう可能性があります。
その点シンプルで快適に絵が描けるSAIは、ペンタブに慣れるために適しています。
また、多数のデザイン関連本や素材集を出している井上のきあさんも「SAI Illustration Technique」という本でSAIを「描くことに集中できる」と評しています。
Photoshopのようなフィルタがないとか、正円が描けるツールがないとかいう声もありますが、逆に考えれば機能が厳選されていることで、「描く」ことに集中できるメリットのほうが大きいんじゃないでしょうか。
(引用元:SAI Illustration Technique/井上のきあ著/p167)
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描き心地がよい
2つ目は何といっても描き心地の良さ。これが理由で私はSAIを使い続けています。
描き心地は実際に触ってみないと伝わらないのですが、表現するならば、アナログに近い描き心地が味わえます。
クリスタでも、SAIの描き心地を再現するためのツールや素材が多くあるのがその証拠。
▼実際にキャンバスに描いているような描き具合だという意見も。
個人的には、色のなじみ具合がクリスタより心地よく感じるので水彩系の塗りをやってみたいという方におすすめです。
水彩系ツールでなじませるように描いてみました。
①SAIの筆と水彩筆の場合
②クリスタの「塗り&なじませ」の場合
SAIの方が若干、色のなじみがなめらかに見えませんか?
動作が軽くて使いやすい
SAIはクリスタよりも求めるPCのスペックが低いです。
そのため、SAIは起動時間やツールの反応が早く快適に使えます。
SAI→1GB以上
クリスタ→2GB以上(8GB以上推奨)
SAIのデメリット
機能が少ない
SAIにないので注意しておくべき機能があります。
- 文字が入れられない
- CMYK出力が出来ない
- 印刷が出来ない
- ぼかしのフィルタ機能がない
文字が入れられないのでSAIだけでマンガを完成させるのは難しいです。
また、印刷用のCMYK出力が出来ないのにも注意が必要です。
同人誌のカラー表紙は、CMYK形式での入稿が必要な印刷会社もあるからです。
(PSD形式での保存は対応しているので、SAIでカラー表紙を描き、PSD形式で入稿したことはあります)
円や四角などの図形を描くツールもありません。
▼ただし図形は「ペン入れレイヤー」で工夫すれば描けます。
SAIのペン入れレイヤーで、図形の描き方を解説【四角・円・三角】
実際、プロでもほとんどの方がSAIとフォトショップ等のソフトを併用しています。
(SAIで描く→加工は別のソフトというのが鉄板)
SAIそのものが、他のソフトと併用すること前提に作られているともいえるでしょう。
新しい技法書がクリスタと比較すると少ない
新しいイラスト技法書が少ないです。
SAIユーザーが多かった2010年前後には多数の技法書が発売されていました。
▼パルミーさんにもSAIを利用した講座があります。
▼ネット上にも有益な講座が多数ありますのでご安心を。
技法書も、中古で安価な本が購入しやすくメリットと捉えることもできます。
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クリスタの特徴
- イラストだけでなくマンガや同人誌制作を考えている
- 多機能なソフトが良い
- 素材を手軽にダウンロードして使いたい
機能の多さが特徴で、SAIでできることのほとんどはクリスタでも出来ます。
お絵かき講座パルミー(月謝制6ヶ月)を始めると、ペンタブレットWacom Intuos S(CLIP STUDIO PAINT2年間ライセンス付)がプレゼントされます。
クリスタのメリット
クリスタのメリットを3つ紹介します。
利用者が多い
クリスタはピクシブの投稿ユーザーに最も多く使われているソフトです。
- 分からないことがあっても調べれば解決法がみつかりやすい
- 技法書が数多く発売されている
ネット上でも講座やメイキングが数多くあるので、手軽に参考にすることが出来ます。
マンガ作成機能が充実
クリスタにはイラストだけでなく、マンガ向け機能が揃っています。
(SAIは文字を入れることが出来ずマンガや同人誌には不向き)
特に同人誌を描きたい場合。
複数ページを管理する機能がありますので、原稿データを扱いやすいです。
イラスト制作ならPRO、マンガも描く場合はEXを選択するとよいでしょう。
専用素材が手軽にダウンロードできる
クリスタの機能の中でも私のイチオシは「Clip Studio Assets」です。
ユーザーの作ったクリスタ専用の素材が多数ダウンロードできます。
- カスタムブラシ
- トーンや背景の素材
- カラーセット
無料で入手できるものも多く、眺めているだけで楽しいです。
(一部CLIPPYというポイントで入手できるものや有料のものも有)
SAIと併用することの多い私は、特に背景を埋めたりする際によく利用しています。
クリスタのデメリット
機能が多すぎて戸惑う
クリップスタジオの機能の多さが、かえって初心者には分かりづらく感じてしまうかもしれません。
機能の多さをフォローする公式ガイドが発売されていますので、学びやすくなっています。
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学びに役立つサイトもありますので分からないことがあれば、チェックしてみてください。
・CLIP STUDIO TIPS(講座系サイト)
・CLIP STUDIO ASK(質問サイト)
SAIより動きがもっさりする
私のPCのメモリは4GBで、クリスタ(推奨メモリ8GB以上)はSAIと比べた場合少し動作がもっさりします。
とはいえ、クリスタを使う際に困るレベルではありませんのでそこまで心配は要らないでしょう。
SAIとクリスタどちらを選んだらいいの?
ここまで読んで、ソフトの選択に迷っているという方へ。
両方ソフトを使っている私の考えを紹介します。
描きたい絵に合わせる
「こんな絵を描きたい」と思う絵師さんと同じソフトを選んでみましょう。
その方が純粋に同じ機能を使えますし、理想の絵を目指しやすいです。
憧れの絵師さんと同じツールを使った方がモチベーションも上がります!
機能は使い方が大事
記事を書くにあたり、調べたところ「初心者からクリスタを利用するのが良い」という意見が多数派でした。
ただ、私が個人的に思ったのは
たくさんの機能があれば、良い(上手い)絵が描けるとは限らない
ということです。
これは、多機能なソフトを否定しているわけでは全くありません。
「機能をどのように生かすか」が大事だということです。
これは私の実体験を元にした話になります。
私が中学生の頃、コピックを買い揃えられず10色程度しか持っていませんでした。
そのとき私は
と思ってました。
あるコピックの技法書を購入したところ、4色だけで描いた魅力的なイラストが載っていました。
たくさんの色があったほうが良い絵が描けると考えていましたが、道具は数より「使い方」も大事だとそれから考えを改めるようになったのです。
今後も長く絵を描いていく上で、ツールやソフトをどのように使っていくかを考えてみましょう。
SAIとクリスタの良いとこどりがおすすめ
個人的にはどちらのソフトも良い点があるので、そこを生かして使っていくのがおすすめです。
私は使い慣れているSAIでキャラクターを完成させ、クリスタで背景や文字を入れるという使い方をしています。
▼SAIとクリスタを利用したメイキング
そのために、ソフト実際に使ってみるのがおすすめです。
どちらのソフトにも無料体験期間があります。
SAI:試用期間1ヶ月
試用期間は製品版と同じ機能が使えます。
(1ヶ月を過ぎるとデータの保存と読み込みができなくなります)
クリスタ:アプリケーションからの申し込みで最大3ヶ月間無料
無料期間が終了すると機能が制限されます。
ペイントソフト CLIP STUDIO PAINT 無料体験版のダウンロードSAIとクリスタのメリットまとめ
SAIのメリット
- 初心者にとってシンプルで分かりやすい
- 描き心地がよい
- 動作が軽くて使いやすい
クリスタのメリット
- 利用者が多い
- マンガ作成機能が充実
- 専用素材が手軽にダウンロードできる
ここで紹介した意見はあくまで私の使用感に基づくものです。
紹介している機能やメリットもほんの一部ですので、ぴったりなソフトを選んでみてください!
▼SAIとクリスタの色塗りについて学ぶ